築年数が経過したことで、建物全体のリフォームが必要となることがあります。しかしフルリフォームすべきか建て替えにすべきか悩んでしまう方は少なくありません。
この記事では、フルリフォームと建て替えの違いやフルリフォームのメリット・デメリットまで解説します。またフルリフォームの費用相場や費用を抑えるポイントまで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
フルリフォームと建て替えの違い
フルリフォームと建て替えの違いを知るためには、まずそれぞれについて知る必要があります。以下では、フルリフォームと建て替えについて詳しく解説しました。
フルリフォームとは
フルリフォームとは、建物の柱や梁以外の部分をすべてリフォームすることです。たとえば古くなった天井や壁などの内装や、水回りの設備などをまとめてリフォームすることになります。フルリフォームを行うことで、現在の住まいを新築時と同じような建物にリフォームすることができます。
建て替えとは
建て替えとは、現在住んでいる建物をすべて解体して新たに建物を建築することです。建物の老朽化や自然災害の影響によって、修復が難しい場合によく行われます。フルリフォームの場合は基礎部分以外をリフォームしますが、建て替えの場合はすべてを解体したところに新しい建物を一から建てます。
フルリフォームのメリット・デメリット
フルリフォームは、費用が安いことや工期が短いことがメリットです。一方で、リフォームの制限が多くなってしまうことがデメリットです。
費用が安い
フルリフォームは建て替えに比べて、費用が安いといったメリットがあります。基礎部分をそのまま利用できるフルリフォームは、基礎の解体費用や建築費用が発生しません。
また基礎の処分費用も発生しないので、建て替えに比べて費用を安く抑えられるのです。他にも建て替えに比べて工事の規模も小さいことから、建て替えよりも安い費用で工事できます。
工期が短い
建て替えに比べて工期が短いことも、フルリフォームのメリットです。建て替えの場合は工期が5ヵ月程度かかると言われていますが、フルリフォームであれば2ヵ月以内に終わるケースも少なくありません。フルリフォームの方が建て替えに比べて、圧倒的に工期が短くなります。
また工期が短ければ、仮住まいに長く住む必要がなくなります。元の家にすぐに戻れるので仮住まいの賃貸費用を抑えられる点もメリットの1つです。
制限が多い
フルリフォームは費用面が安いことや工期が短いことといったメリットがある一方で、制限が多くなってしまうのがデメリットです。フルリフォームは基礎部分を残すため、構造上リフォームに制限が出てしまうケースがあります。
たとえば間取りを大きく変更したい場合に、建物の構造上難しい場合があります。構造上難しい場合は、希望通りの間取りにリフォームすることができなくなるのです。
また仮に可能でも補修工事が必要となれば、高額な費用が発生してしまいます。補修工事が必要となれば、コスト面のメリットが感じられなくなるでしょう。フルリフォームは建て替えに比べて、制限が多くリフォームの自由度が低くなってしまいます。
フルリフォームの費用相場
フルリフォームにかかる費用は一体どのぐらいかかるのでしょうか。ここでは、一戸建ての場合とマンションの場合の費用相場を紹介します。
一戸建ての場合
一戸建てをフルリフォームする場合は、1坪あたり約72万円以上が相場です。またフルリフォームの総額は、2,300万円以上が費用相場となります。
ただしフルリフォームする際に発生する解体費用や廃材処分費用は物件によって大きく異なります。そのため、相場よりも高額になるケースもあるので注意が必要です。
また狭小住宅の場合は、割高になる傾向があります。フルリフォームの費用は物件によって異なりますので、明確に把握したい方はリフォーム会社から見積もりをとって判断しましょう。
マンションの場合
マンションをフルリフォームする場合は、1坪当たり約39万円以上が相場です。フルリフォームの総額は、1,050万円以上が費用相場となります。一戸建てのフルリフォーム費用と比べると、安い費用でフルリフォームが行えます。
フルリフォームの費用を抑えるポイント
フルリフォームは建て替えに比べて安く収まりますが、それでも高額な費用がかかります。そこで、費用を抑えるポイントについて紹介しましょう。
スタンダードなグレードを選ぶ
フルリフォームの費用を抑えるためには、スタンダードなグレードを選ぶことがポイントです。たとえばキッチンを選ぶ際に、ハイグレードな商品ほど当然費用は高くなります。
そのため費用を抑えたい方は、ハイグレードの商品を選ぶのではなくスタンダードな商品を選ぶことで、費用を抑えることが可能です。
ただし人によっては、グレードにこだわりたい方もいらっしゃるでしょう。グレードにこだわりたい方は、こだわりたい部分のみハイグレードにするなど工夫することで、費用を抑えられます。
住宅ローン・リフォームローンを活用する
住宅ローンやリフォームローンを活用すれば、フルリフォームの費用に充てることができます。住宅ローンは新築時の購入だけでなく、フルリフォームを行う場合でも借り入れ可能です。
借入限度額が大きく金利も低いことから、少ない負担でフルリフォームの費用に充てることができます。またリフォーム専用のリフォームローンでは、比較的審査が通りやすいためすぐに資金を用意したい方におすすめです。
補助金や減税制度を活用する
フルリフォームを行う際は、補助金や減税制度を活用することも可能です。たとえばリフォームの内容が減税制度の条件をクリアする場合に、所得税の控除や固定資産税を減税することができます。
また各自治体によっては、リフォーム時に補助金や助成金が受けられます。ただし補助金については、自治体によって内容が異なるため注意が必要です。補助金の利用を検討する際は、事前にお住まいの自治体に確認しましょう。
アフターサービスが充実している優良業者に依頼しよう
リフォームは、アフターサービスが充実している優良業者に依頼しましょう。リフォームのアフターサービスは業者によってさまざまです。
リフォーム後に後悔しないためにも、アフターサービスが充実しているのか確認することが大切です。たとえば保証期間や定期点検の有無、緊急対応の有無などを確認しておくと後々トラブルが起こった際でも安心できます。