リフォームでも床暖房を設置できます。
しかし、設置できる床暖房も設置する方法も複数の種類があるので迷ってしまう方もいるでしょう。床暖房の設置をリフォームで検討している場合はどのような方法でリフォームが可能なのか事前に調べておくことが大切です。
今回は、リフォームで設置できる床暖房の種類や方法、注意点を紹介します。
リフォームで床暖房を後付けする方法や手順
はじめに、リフォームで床暖房を後付けする場合の方法や手順を紹介します。
床暖房は、熱源・設置方法などの選択肢によって費用や工期が変わってきます。そのため、どのような種類や設置方法があるか事前に頭に入れておくことが大切です。
床暖房の種類を決める
床暖房には、電気ヒーター式と温水式の2種類があります。2種類の違いは、以下の表のとおりです。それぞれにメリット・デメリットがあるので把握しておきましょう。
電気ヒーター式 | 温水式 | |
熱源 | 電気 | 電気・ガス・石油 |
初期費用 | 比較的安価
|
電気ヒーター式より高い傾向 |
電気代 | やや高め
(10畳:4,000〜7,000円前後/月) |
電気ヒーター式より安い傾向
(10畳:4,000円前後/月) |
特徴 | ● リフォームで後付けしやすい
● メンテナンスも楽 ● アンペアを上げる工事が必要な例もある ● 長時間触れていると低温やけどする恐れもある |
● 光熱費が電気ヒーター式より抑えられる
● 低温やけどの心配もない ● 設置に費用と期間がかかる ● 給湯器の増設が必要な例もある ● 10年に1度程度の割合でメンテナンスが必要 |
床暖房の設置方法を決める
床暖房の種類が決まったら、次は床暖房の設置方法を決めます。床暖房の設置方法は、直貼りと張替えの2種類です。
直貼りは既存の床の上に床暖房の器具を設置し、その上に新たに床材を張る方法です。古い床を剥がさなくてよい分、費用も安く工期も短くてすみます。ただし、他の床と床暖房を設置した床との間に段差ができます。
一方、張替えは一度古い床材を剥がして床暖房の器具を設置し、新しい床材を張り直す方法です。張替えすると、段差ができません。高齢者や小さな子どもがつまずいて転倒する事故も防げます。ただし、床材を剥がして引き直す工程が加わる分、費用と工期が直貼りよりもかかります。
施工会社に依頼して工事をしてもらう
床暖房の種類と設置方法が決まったら、施工会社を探します。床暖房を後付けしてくれる会社はリフォーム業者を中心として複数あります。特に、複数の製品を比較してから自宅に設置する製品を選びたい場合は、リフォーム会社に相談してみるといいでしょう。
実績があり、口コミなどの評判が良い業者を選ぶとはずれがありません。迷った場合は相見積もりを利用してみましょう。相見積もりを利用すれば、地域の相場もわかります。見積もりがわかりやすく、相場通りの業者を選ぶのがおすすめです。
なお、時間に余裕がある場合はショールームなどを見学してみると、いろいろな床暖房を比較検討できます。
床暖房を付けるリフォームをおこなうタイミング
リフォームで床暖房を後付けする工事は、いつでもおこなえます。しかし、費用を抑えたい場合は、住宅機器を交換したりリフォーム工事を行なったりする際に同時におこなうといいでしょう。ここでは、床暖房を後付けするリフォームをおこなうおすすめのタイミングを紹介します。
給湯器を交換するタイミング
給湯器の交換と床暖房の後付けを同時におこなうと、設置費用が割り引きされるケースもあります。また、エコキュートやエコジョーズ、エネファームなどの次世代型給湯機に交換すると、給湯省エネ事業などにより補助金が出る可能性もあるので、確かめてみましょう。
次世代型給湯機は設置費用がかかりますが、光熱費を抑えられるので床暖房を設置したい場合にはおすすめです。なお、マンションの場合は給湯機の設置スペースが決められているため、業者と相談しつつ給湯器を選ぶといいでしょう。
床材を交換するリフォームをおこなうとき
床材の寿命がきてリフォームする必要が出た場合、一緒に床暖房を設置するリフォームすると、張り替えと床暖房設置が一度におこなえます。フローリングの寿命は10~30年といわれています。一般的に突板フローリングや挽板フローリングは長くて15年前後、向くフローリングの場合は最長で30年くらいです。
直貼りと床材を重ね張りをするので、どうしても段差ができてしまいます。かといって、まだ十分使える床材を交換するのはもったいないでしょう。床材が古くなり交換するタイミングで、床暖房の導入を検討のも方法の1つです。
家の間取りを変える大規模リフォームをおこなうとき
間取りを変えるような大幅なリフォームをおこなう際に、ついでに床暖房を設置すれば、リフォームの回数を減らせます。家族構成が変わるなど現在の家が使いにくくなった場合、大幅なリフォームをおこなうケースもあります。
また、和室を洋室にするなどのリフォームでも、床材を一度撤去するので床暖房を設置するのに最適です。大規模なリフォームを検討している場合は、リフォーム業者や工務店に床暖房の設置も同時に行えるか相談してみましょう。
床暖房を付けるリフォームをおこなう際の注意点
最後に、床暖房を後付けするリフォームをおこなう際の注意点を紹介します。
床暖房は、エアコンに比べると足元が温かく空気を汚さず省エネといったメリットがある一方、どんな物件でも後付けできるわけではありません。
リフォームを検討している方は、参考にしてください。
床材の確認をする
床暖房は主にフローリングの下に設置されていますが、床暖房対応のフローリング材と不対応のフローリング材があります。床暖房が設置されていない床に使われている床材の中には、床暖房に適さないものが使われているケースもあるでしょう。
特に、無垢材は複合フローリング材に比べると、そりや熱に弱く、床暖房を使い続けるとそりや割れが発生しやすくなります。ただし、現在の床材は一見するだけでは床暖房に対応しているかどうかわかりません。業者に依頼して、確認してもらいましょう。床材が床暖房に不対応の場合は全面的な張替えが必要です。
マンションの場合は規約を確認する
分譲マンションの中には、リフォームに制限がかけられている物件もあります。もともと床暖房が設置されているマンションの場合は問題ありませんが、後付けで設置するのを禁止しているマンションもあるでしょう。
また、規約では禁止されていなくても、給湯器が入るスペースがなく断念せざるを得ないケースもあります。マンションの場合は、工事を依頼する前に利用規約を確認してみましょう。わからない場合は、管理組合に確認してください。なお、リフォームは問題ない場合でも、床の工事になるので近隣への挨拶は入念におこないましょう。
補助金を利用する場合は事前に確認する
床暖房をリフォームで設置する場合、給湯器省エネ事業や長期優良住宅に関する補助金の対象になる場合もあります。また、UターンやIターンで首都圏から地方へ移住して住宅を購入し、リフォームを行った場合は自治体から補助金が出るケースもあるでしょう。
全額補助とはいきませんが、少しでも補助金が出れば経済的な負担は軽くなります。リフォーム会社は、補助金の相談にも乗ってくれるので、利用できる補助金があるかどうか相談してみてもいいでしょう。なお、リフォームの補助金は工事後に払われるのが一般的です。
値段以外のメリット・デメリットをよく考える
暖房は、床暖房以外にストーブやエアコン、電気カーペットなどさまざまな種類があります。床暖房は広範囲を温められ、空気を汚しません。また、エアコンに比べると光熱費がかからないメリットもあります。
その一方で、初期設置費用やランニングコストがかかります。特に、初期設置費用は数ある暖房器具の中でも1〜2を争う高さです。床暖房は一畳あたりの値段で設置費用を計算しますが、広い部屋に設置するほど費用がかかります。また、直貼り法の場合は段差ができるので事故の原因にもなるでしょう。メリット・デメリットをよく考えたうえで決断してください。
リフォームで床暖房をつける場合は種類や方法をよく考える
床暖房があれば、温暖な地域ならエアコンをつけなくても冬を過ごせます。しかし、寒冷地の場合は床暖房では力不足です。また、リフォームで設置すると他の暖房器具に比べてどうしても、費用がかかります。基本的にフローリング材の下に設置するので、全室和室な家は大掛かりなリフォームになるでしょう。家の造りやマンションの規約は床暖房の設置に適しているかよく確認して、リフォームを決断しましょう。リフォームを依頼する業者選びに迷ったら、弊社にご相談ください。お客様の希望をしっかりとお聞きしたうえで、最良のご提案をいたします。
Q 床暖房を設置する場合工期はどのくらいですか?
A 直貼り法の場合は1日で済む場合もあります。張替えを選んで部屋が広い場合は、3日~1週間かかる場合もあるでしょう。
Q 床暖房の設置工事をしている最中は家にいても大丈夫ですか?
A はい。設置している場所には工事が終わるまで入れませんが、別の家に移り住む必要はありません。