排水管からトントン、コンコンと音がしていませんか。
排水管から聞こえる異音を放置すると異臭や水漏れなどが起きるかもしれません。
本記事では、トントンといった音が排水管から聞こえる原因と対処法について詳しく解説します。
対処法を理解し、水回りのトラブルを回避しましょう。
排水管から異音がする音の正体
排水管から「トントン」「コンコン」といった音や「ドン!」「ガン!」といった衝撃音がして、不安に感じていませんか。
排水管の異音は水道トラブルの予兆です。
ただし、聞こえてくる音の種類によって、音の正体は異なります。異音の種類は、以下2パターンです。
- トントン・コンコンという音
- ドン・ガンという衝撃音
音の種類別に、排水管の中でなにが起きているのか正体を解説します。
トントン・コンコンという音
「トントン」「コンコン」といった音の正体は、排水管のゆがみや膨張によるものです。
キッチンの配管は塩化ビニル製のものが多く、塩化ビニルは熱に弱いです。そのため、排水管はお湯で変形してしまいます。
例えば、野菜や麺類の茹で汁をそのままシンクに流していると、排水管にゆがみが生じます。
本来、60度以下になるまでお湯を冷ましたり、水と一緒に流したりしなければなりません。
また、冬に熱いお湯を流すと急激な温度の変化によって排水管が膨張する原因に。
このように排水管がゆがむと、金具や接触している壁、柱にぶつかってしまい、水を流すたびに「トントン」「コンコン」といった音が発生します。
ドン・ガンという衝撃音
「ドン!」「ガン!」といった衝撃音の正体は、ウォーターハンマーと呼ばれる現象です。
原因は主に2つあります。
まず、排水管の中で起きる急激な圧力変化によるものです。
勢いよく水を出したり突然水を止めたりする場合に発生します。
次に、水中分離によるものです。
水の流れが急に止まると、止水栓の先で圧力が下がってしまい、そこに勢いよく水が流れ込んで振動が生じます。
水中分離によって発生した衝撃音は遠方にまで伝わり、道路を隔てた近隣の家にまで音が響く場合もあります。
排水管から聞こえる音の原因
「トントン」「コンコン」といった異音の原因は、熱や衝撃などによってできた排水管のゆがみによるものです。
60度以上のお湯を流さないように注意しましょう。
一方、「ドン!」「ガン!」といった異音には、さまざまな原因が考えられます。
器具の不具合や周囲の環境の変化が影響しているケースも多いです。
- 水撃防止器の劣化
- 近隣の配管工事による水量の増加
- 住居数の増加による給水水圧の増加
自分ではどうしようもない場合もあるでしょう。
ウォーターハンマー現象が起きる場所
水道のある場所であればウォーターハンマー現象はどこでも起こり得ます。
なかでも、給湯器や食器洗い機の使用中に起きやすく、相談事例が多いです。
給湯器から音が聞こえてくる場合もあり、キッチンや洗面所に限らず、浴室といったあらゆる場所で現象が起きています。
また、シングルレバー式やタッチ式水栓を使っているといきなり水が流れたり、止まったりするため、排水管の中の圧力が変化しやすいです。
さらに、タンク式のトイレでも同じ現象が起きています。
タンクが満水になると急に水栓が止まる仕組みのため、衝撃音が発生します。
排水管のおかしな音を放置しても大丈夫?
排水管のおかしな音が続くようであれば、放置せずしっかり対処しましょう。
なぜなら、どのような音であれ、何かしら排水管のトラブルを抱えている可能性が高いからです。
「トントン」といった音の場合、排水管がゆがんでしまっています。
ゆがみのせいで汚れが溜まり、詰まりや異臭を引き起こしかねません。
また、ゆがみによって接続部分に隙間ができ、水が漏れてくる場合もあります。
一方、「ドン」といった衝撃音の場合、音からもわかるように排水管内で大きな衝撃が生じています。
排水管を大きく振動させてしまっており、繰り返していると接続部分に緩みやゆがみが生じて水漏れを引き起こすかもしれません。
また、接続されている給湯器や食器洗い機の故障の原因になる場合も。センサーの異常を誘発してしまうと、修理や買い替えが必須です。
排水管から異音がするときの対処法
排水管から異音がする場合、そのまま放っておくと危険なため自分でできる対処を早期に実践しましょう。
異音の対処法は、以下のように4つあります。
- 熱湯のまま流さない
- 蛇口をゆっくり閉める
- 元栓を少し閉める
- 防止装置を設置する
普段から意識すれば異音の頻度を減らし、トラブルを引き起こすリスクを軽減できます。1つずつ詳しく確認しましょう。
熱湯のまま流さない
熱湯をそのまま流すとパイプの膨張やゆがみを引き起こす原因になるため、冷ましてから流しましょう。
特に、キッチンでは調理をしているとお湯を流すタイミングがあります。
しかし、キッチンで使われている排水管には塩化ビニルが使われており、耐熱性が低いです。
熱湯のまま流さないよう、60度より低い温度にしてから流すよう気をつけましょう。
蛇口をゆっくり閉める
ひねるタイプの蛇口であれば、圧力の変動を急激に与えないようゆっくり捻って閉めるよう心がけましょう。
一方、レバーを上げ下げするような蛇口は、ゆっくり水を止めることが難しいです。
しかし、一瞬で水を止めて圧力の変化を急激に与えないよう意識しましょう。
また、ボタン式の蛇口も水が一瞬で止まります。
これからリフォームしたり、キッチンを作ったりする場合、ボタン式の蛇口を選ばないことも対策の1つです。
元栓を少し閉める
元栓を少し閉めておくと、異音が解消されるかもしれません。
元栓を少し閉めると排水管の中に流れる水の量が減り、急激な圧力変動を抑えられます。
また、食器洗い機や全自動洗濯機などで急に水の流れが止まったときにも圧力変動が弱まります。
ただし、元栓を絞るとどうしても水圧が弱くなると覚えておきましょう。
シャワーの水圧がもの足りなくなったり、給湯器が使えなくなったりと弊害が生じるかもしれません。
元栓の絞りすぎには注意しましょう。
防止装置を設置する
防止装置を設置して、衝撃音を抑える方法もあります。
水撃防止器やウォーターハンマー低減器などとも呼ばれる装置です。
現在ついている蛇口やハンドルを外し、代わりに防止装置を取り付けます。
レバータイプの場合でも、給水管ハンドルに取り付ければ機能します。
防止装置は一般に販売されていますが、自分で取り付けようと思うと大変です。
一度蛇口やハンドルを分解する作業があるため、うまく取り付けられなければ水が止まってしまいます。
水道まわりの修理やリフォームをする業者であれば、音を軽減する装置の販売や取り付けに対応しています。
近隣住民に迷惑がかかったり、生活に支障が出たりするような騒音であれば水撃低減器や水撃防止器をつける選択肢も検討しましょう。
トントンという音は早めの点検がおすすめ
トントンという音が聞こえてきたら、早めに専門業者に点検を依頼しましょう。
原因がわからないままだと適切な対処方法がわからず、大きなトラブルを引き起こしかねません。
ちょっとした水漏れだと自分では気付きにくく、気づいた時には床が水浸しになっていたり、排水管まわりが腐敗していたりします。
特に排水管の劣化やゆるみ、ゆがみが生じている場合、専門業者は適切に対処してくれます。
早めに原因を究明するためにも専門業者に点検を依頼しましょう。
トラブルが起きる前に早めに対処しよう
「トントン」といった音は、排水管のゆがみや膨張によるものです。
熱湯をそのままシンクに流したときに、排水管が熱に耐えられず変形してしまった可能性があります。
また、急激な温度変化にも弱いため、冬場に暖かいお湯を流しても同様の音が聞こえます。
一方、「ドン!」といった衝撃音はウォーターハンマー現象によるものです。
排水管内の水圧の変化によって衝撃が加わり、大きな音が出ています。
どちらのタイプの音であっても、このような異音は排水管トラブルの予兆です。
早めに業者に点検を依頼し、原因を確認してもらいましょう。
キッチンや洗面所などの水回りに関してお困りでしたら、弊社にお気軽にご連絡ください。
Q:排水管から聞こえるトントンといった音の原因は何ですか?
A:排水管のゆがみや膨張によって、金具や柱、壁に排水管がぶつかる音です。
Q:排水管の異音を放っておくとどうなりますか?
A:水漏れや騒音問題に発展します。早めに点検をし、音の原因を究明しましょう。