戸建てのルーフバルコニーは広々していて使い勝手がよさそうに見えますが、意外と後悔ポイントになりやすい場所でもあります。そのため、事前にデメリットや注意点を知っておくことが大切です。そこでこの記事では、ルーフバルコニーのデメリットと対策、使い勝手のいい空間を作るコツなどを解説していきます。戸建てでルーフバルコニーの設置を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
ルーフバルコニーとは
ルーフバルコニーとは、階下の屋根部分に設置された屋外スペースのことです。屋根部分を利用するのでベランダのように建物の外側に張り出さず、すっきりした印象になります。また、ベランダより広さを確保しやすく、いろいろな使い方ができるところも大きな魅力でしょう。屋根がないので日当たりがいいというメリットもあります。
戸建てのルーフバルコニーの活用法
ルーフバルコニーは、屋根がなく広い屋外スペースであることから、使い方次第でいろいろな楽しみ方ができます。ルーフバルコニーの活用法を解説します。
洗濯物を干す
ルーフバルコニーには屋根がなく、日当たりや風通しがいいので、洗濯物干し場としてぴったりです。最近は室内干しをする家庭が増えていますが、干せる量が限られていたり、部屋干し特有のにおいが発生したりするのでストレスを抱えている人も多いでしょう。ルーフバルコニーなら、大量の洗濯物やシーツなども同時に干すことができるので効率よく家事が行えます。もちろん部屋干し臭のようなにおいに悩むこともありません。
家庭菜園やガーデニングを楽しむ
ルーフバルコニーは日当たりを確保しやすいので、家庭菜園やガーデニングも楽しめます。庭とは違い室内から全体を見渡せるので、インテリアとしても活用できるでしょう。
バーベキューなどアウトドアを楽しむ
ルーフバルコニーは、バーベキューなどのアウトドアも気軽に楽しめます。とくに市街地の場合は、庭を設けるのが難しく住宅同士が隣接しているため、バーベキューをする場所がないという人も多いでしょう。なかにはガレージを利用してバーベキューをしたりする人もいるかもしれませんが、開放感に欠けるためアウトドアの雰囲気が感じられません。ルーフバルコニーなら屋根がなく空が視界に入るため、しっかり開放感を味わえるでしょう。
子どもやペットの遊び場にする
ルーフバルコニーは、子どもやペットの遊び場としても重宝します。家にいながらプールや砂遊びが楽しめるのは家族みんなにとって魅力的でしょう。また、庭とは違って敷地外に飛び出す心配がなく、全体に目が届きやすいので小さいお子さんを遊ばせる場合にも安心感があります。ドッグランとしても利用できるので、なかなか散歩にいく時間がないといったご家庭にもおすすめです。
のんびりくつろぐ
いすやソファなどをルーフバルコニーに置けば、のんびりくつろぐこともできます。外の風を感じながら座っているだけで、室内とは違った贅沢な気分が味わえるでしょう。ゆっくりリラックスしたいときや、気分をかえて晩酌を楽しみたいときなどにうってつけの空間です。
収納スペースにする
戸建てのルーフバルコニーは収納スペースとしても使えます。とくに、アウトドアグッズなど屋外で使うものやプールなどの季節用品の収納場所としてぴったりです。すぐに取り出しに行けるので、室内の収納スペースが足りなくて困っている人にもおすすめです。
戸建てのルーフバルコニーのデメリットと対策
なにかと魅力の多いルーフバルコニーですが、当然デメリットもあります。ただ、しっかり対策できればある程度防ぐことも可能です。戸建てのルーフバルコニーのデメリットと対策を解説していきます。
雨漏りしやすくなる
ルーフバルコニーは、屋根に比べると雨漏りのリスクが高くなります。適切な防水工事がされていたとしても、ルーフバルコニーで活動することが多いとどうしても劣化スピードが早くなります。また、排水溝が詰まっていたりすると、雨水が溜まりやすく雨漏りを起こしやすいです。
しっかり防水加工をしてもらったり、水はけがよくなるような構造にしたりすることで雨漏りのリスクを下げられます。たとえば、排水溝を複数設置したり、大きめのものにしたりすることで水はけのよさが維持しやすくなります。また、防水加工が切れる前にメンテナンスするなど早めの対処も大切です。
手入れが大変になる
ルーフバルコニーを設けると、手入れをしなくてはいけない場所が増えるので大変です。とくにルーフバルコニーは常に外気や雨風にさらされているので、葉っぱが飛んできたり、土埃がたまったりと使っていなくても汚れます。汚れを放置すると排水溝が詰まったり、防水加工が劣化しやすくなったりするので、こまめな手入れが欠かせません。手入れが苦手な人は、汚れがつきにくい床材を選んだり、ルーフバルコニーに置くものを減らしたりして手入れがしやすくなる工夫をしておくことをおすすめします。
においや騒音でトラブルになることがある
ルーフバルコニーには家族や友人とバーベキューなどが楽しめるメリットがありますが、においや騒音でトラブルになったという声もよく聞かれます。基本的なことではありますが、声の大きさに配慮したり、迷惑になるような時間に使用したりしないように心がけましょう。
ルーフバルコニーの設置で後悔しないためのポイント
ルーフバルコニーを設置した人のなかには、後悔しているという人が意外と多くいます。ルーフバルコニーで後悔しないためのポイントを解説していきます。
実績が豊富で信頼できる業者に依頼する
ルーフバルコニーを満足いく空間にしたいときは、実績が豊富で信頼できる業者に依頼しましょう。というのも、雨漏りのリスクは防水処理の施工技術に大きく左右されるからです。ルーフバルコニーの施工に慣れていない業者だと施工不良になる可能性が高く、雨漏りしやすくなります。
また、ルーフバルコニーは建築基準法上は屋根として扱われるため、設置するときは防火に関する基準を満たさなくてはいけません。そのほか、耐荷重量や耐震性の確認が必要だったりするので、ルーフバルコニーに関する知識と実績が豊富な業者でないと対応しきれない可能性があります。安心して使えるルーフバルコニーを作りたいときは、実績が豊富で信頼できる業者を見極めることが大切です。
使い道を明確にしておく
ルーフバルコニーで後悔しないために大切なのは、使い道を明確にしておくことです。大した使い道がないのに、見た目のおしゃれさなど曖昧な理由で設置すると、デメリットのほうが大きくなってしまうかもしれません。実際「ルーフバルコニーを設置したけど使わなかった」と後悔する声が意外と多く聞かれます。
ルーフバルコニーは、使わなかったとしても雨漏りを防ぐために日々の手入れや定期的なメンテナンスが必要です。「やっぱり設置しなければよかった」とならないように、使い道を明確にしたうえで設置を検討しましょう。
使い勝手のいいルーフバルコニーを作るコツ
せっかくルーフバルコニーを設置するなら後悔したくないのは当然ですが、できるだけ使い勝手のいい空間にしたいですよね。以下では、使い勝手のいいルーフバルコニーを作るコツを解説していきます。
防水工事の種類を知っておく
ひとくちに防水工事といってもその施工方法はさまざまで、特徴もそれぞれ異なります。防水工事の違いを理解しておくことで、自宅にあった施工方法が選択できるようになるでしょう。ルーフバルコニーで使われることが多い防水工事の種類と特徴は以下の通りです。
防水の種類 | ウレタン防水 | FRP防水 |
費用(1㎡あたり) | 約3,900円~約7,400円 | 約4,700円~約8,000円 |
耐用年数 | 約7年~12年 | 約10年~13年 |
工期 | 約4日~5日 | 約1~2日 |
どちらも液体のため、凹凸や室外機などの障害物があっても、つなぎ目なくきれいに仕上げられます。また、ウレタン防水は伸縮性があるので、地震で建物が揺れてもひび割れにくいメリットがあります。価格もFRP防水より安いですが、耐用年数が短かったり工期が長かったりするデメリットもあるので注意が必要です。一方、FRP防水はウレタン防水より軽量なため、建物に負荷がかかりにくい特徴があります。耐久性にも優れていますが、伸縮性がないので地震などの揺れには対応しにくいとされています。どちらにもメリット・デメリットがあるので、特徴を理解したうえで好みのほうを選びましょう。
手入れがしやすい床材を選ぶ
床材は、ルーフバルコニーの使い勝手を左右する重要な部分です。床材の種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。
種類 | 費用(1㎡あたり) | 手入れのしやすさ |
人工芝 | 約1,100円~ | ・ゴミが絡まり掃除しにくい
・水はけが悪いとカビが生える |
人工木 | 約20,000円~ | ・耐水性が高く腐食しにくい |
天然木 | 約25,000円~ | ・シロアリ対策が必要 |
タイル | 約20,000円~ | ・頑丈で手入れしやすい |
人工芝はクッション性があるので、小さいお子さんやペットがいる家庭におすすめです。ただ、ゴミが絡まりやすく手入れがしにくいデメリットがあります。また、水はけがいいものを選ばないとカビが生えやすくなるので、注意が必要です。
人工木は木材に似せて作られた樹脂製の素材です。天然木より防水性と耐久性に優れているため扱いやすいでしょう。
一方、天然木には人工木にはない高級感があります。また、室内とルーフバルコニーの床材を木材で統一すると一体感がうまれ、より広い空間に見せることができます。ただ、天然木は湿度が高くなるとシロアリが集まりやすいです。湿気がこもらないように、通気性を意識してレイアウトしなくてはいけません。
タイルは耐水性と耐久性がともに高く、手入れのしやすさに優れた素材です。デザイン性も豊富で好みの空間が作りやすいでしょう。しかしほかの床材より重いため、建物の耐震性によっては施工できない可能性があります。
日当たりによっては日よけの設置を検討する
ルーフバルコニーは日当たりのよさが魅力ではありますが、設置する方角によっては日当たりが強すぎると感じる可能性があります。とくにプールやバーベキューをしたいと思っている人は、日よけがあったほうが快適に過ごせるでしょう。とはいえ、日よけは後付けも可能なので、実際に使用感を確認してから設置を検討するのもいいかもしれません。
高さのある柵を設置してプライバシーや安全性を確保する
ルーフバルコニーに高さのある柵を設置すると、プライバシーや安全性が確保されるので、より使い心地のよい空間になるでしょう。ルーフバルコニーは2階以上の高さに設置するので人目が気にならないのではと思う人もいるかもしれませんが、意外と近隣の住宅の視線が気になるものです。また、小さい子どもがいる場合は転落のリスクもあるので、ある程度高さのある柵の方が安心です。ただ、高さのある柵はやや閉塞された印象になるので、開放感を重視したい場合は、一部を抜け感のある素材にするのがおすすめです。
水栓やコンセントを設置しておく
ルーフバルコニーには水栓やコンセントを設置しておくことをおすすめします。水栓はプールやガーデニングを楽しむときはもちろん、掃除のときにも重宝します。コンセントも掃除器具などの電化製品を使うときに便利です。後々必要になっても設置するのが大変なので、現時点で使う予定がない場合でも、水栓とコンセントは設置しておくといいでしょう。
戸建てのルーフバルコニーに関する費用の相場
最後に、戸建てにルーフバルコニーを設置するときの費用やメンテナンス費用を解説します。
ルーフバルコニーの設置費用
戸建てにルーフバルコニーを後付けするときの費用相場は、1㎡あたり約10万円〜です。6帖程度の広さなら約100万円〜の費用がかかることになります。ただし、床材の種類やその他の設備などにより費用は大きく変動するので、一般的な相場として参考にしてください。
メンテナンス費用
FRP防水やウレタン防水で防水工事をしている場合は、 約5年間隔でトップコートの塗り替えを行わなくてはいけません。トップコートの塗り替え費用の相場は約3万円〜約7万円ですが、ルーフバルコニーの広さや業者によって変動します。
理想のルーフバルコニーを作ろう
この記事では戸建てでルーフバルコニーを作る時の注意点などを解説しました。ルーフバルコニーは便利な空間ではありますが、しっかり知識をもったうえで設置しないと後悔する可能性が高まります。とくに、ルーフバルコニーで問題になりがちな雨漏りを防ぐときは、業者選びが重要です。弊社では施工実績が豊富で、お客様の希望に合わせた提案をさせていただいております。リフォームに関するお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。